Power Platform のライセンスプランには、製品毎の有償ライセンスに加え、従量課金プランが用意されています。先日2025年1月に、この従量課金プランに Copilot Studio も追加され、使用場面は更に広まっています。
本記事では Power Platform の従量課金ライセンスの特徴をご紹介いたします。ライセンス選択時の参考にしていただければ幸いです。

※本記事は2025年1月時点の情報を元に作成しています。

従量課金ライセンスの特徴

  • Power Platform 各製品の有償ライセンスの事前購入なしで、有償ライセンスと同等の機能を使用可能
  • Azure サブスクリプションが必要
  • Power Platform の環境毎に従量課金のオン/オフ設定が可能
  • 従量課金制の停止はいつでも可能

使用条件

  • 運用環境とサンドボックスで設定可能
  • 従量課金と per app プラン(アプリ単位のライセンス)の併用は不可
  • 従量課金と Power Automate の非アテンド型 RPA アドオンの併用は不可
  • ひとつの環境につき、ひとつの Azure サブスクリプション(変更・削除はいつでも可能)

製品毎の課金額算出方法

Power Platform の従量課金プランは、各製品ごとに異なる料金体系が設定されています。主要な製品ごとの課金の違いは以下の通りです。

Power Apps

1アプリに対し、月$10/アクティブユーザー

<ポイント>
・アクティブユーザー:少なくとも月1回アプリを開いたユーザー
・同一ユーザーが複数アプリにアクセスした場合はアプリ毎にカウント
・Power Apps ユーザーライセンス、Power Apps の使用権を含む Dynamics 365 ライセンスを持つユーザーは除外
・標準コネクタのみのアプリにアクセスした場合は除外
・アプリの種類は問わない(キャンバスアプリ、モデル駆動アプリ)

Power Automate(プレビュー)

クラウドフロー、アテンド型のデスクトップフロー:$0.60/実行
非アテンド型デスクトップフロー:$3.00/実行
ホスト型コンピューターとホスト型コンピューターグループを含む、ホスト型 RPAで実行されるデスクトップフロー:$3.00/実行

<ポイント>
・フローの実行回数に対してカウント
・標準コネクタのみを使用したフローの場合は除外
・Power Automate ユーザーライセンスをもつユーザーによるクラウドフロー実行は除外
・Power Apps から直接トリガーしたフローは除外( Power Apps 側でカウント)

Dataverse

データベース:月$48/GB(1GBを超える場合)
ファイル:月$2.40/GB(1GBを超える場合)
ログ:月$12/GB

<ポイント>
・環境に割り当て済みの容量を超える使用量に対してカウント
・各カテゴリの使用量の測定は、08:00 UTC、16:00 UTC、00:00 UTC の 1 日 3 回行われる

Power Pages(プレビュー)

アクティブな認証済みユーザー:$4/web サイト
匿名ユーザー:$0.30/web サイト

<ポイント>
・アクティブな認証ユーザー:少なくとも月1回Web サイトにログインしたユーザー
・アクティブな匿名ユーザー:Web サイトへの認証を行わないユーザー( Cookie にユーザー情報が保存されている場合は改めてカウントされない)
・同一ユーザーが複数サイトにアクセスした場合、サイト毎にカウント
・Power Pages ユーザーライセンス、Power Pages の使用権を含む Power Apps ライセンスやDynamics 365 ライセンスを持つユーザーは除外

Copilot Studio

$0.01/メッセージ

<ポイント>
・クラシック回答(非生成AI)の場合は1メッセージをカウント
・生成型回答の場合は2メッセージをカウント

参考情報

従量課金制プランの概要 – Power Platform | Microsoft Learn
従量課金制メーター – Power Platform | Microsoft Learn

導入時には、使用頻度や使用ユーザー数により、 Power Platform 各製品の有償ライセンス、または従量課金プランのどちらを選択すべきか検討する必要があります。
使用ライセンスを検討されている方は、ぜひ一度ご相談ください。