なりすましメールとは
「なりすましメール」とは、実在している企業や人物を装い配信される、詐欺を目的としたメールを指します。
こうしたメールには、悪意あるサイトに誘導するためのリンクが設定されており、ユーザーがクリックすることでコンピュータウィルスに感染したり、認証情報やクレジットカードなどの機密情報を搾取するといった被害が多く発生しています。
IPA(情報処理推進機構)の公開情報によると、「情報セキュリティ10大脅威2021」の個人部門では フィッシングによる個人情報等の搾取 が 2 位、組織部門では ランサムウェアによる被害 が 1 位となっています。どちらもなりすましメールが攻撃として用いられることが多いです。
Microsoft Defender for Office 365 のフィッシング対策ポリシー
Office 365 には「Exchange Online Protection(略称:EOP)」という悪意のあるメールを排除する機能が標準で備わっているほか、既定でフィッシング対策ポリシーが有効になっています。
しかしながら、こうしたフィルターやポリシーをすり抜けることもあり、中には大量のフィッシングメールが受信トレイに配信されてしまうケースもあります。
「Microsoft Defender for Office 365(旧称:Office 365 ATP)」では、より強力できめ細やかなフィッシング対策ポリシーを設定できるほか、メール内の添付ファイルやURL をサンドボックス環境で検証するなどの Safe Documents / Safe Links 機能も利用することができます。
今回はフィッシング対策に焦点を当てて、Microsoft Defender for Office 365 で推奨する設定値をご紹介します。
Microsoft Defender for Office 365 の利用条件
以下単体ライセンス、またはいずれかが含まれるセットプランが必要です。
<単体>
・Microsoft Defender for Office 365 plan1
・Microsoft Defender for Office 365 plan2
<セット>
・Microsoft 365 Business Premium
・Office 365 E5 / A5
・Microsoft 365 E5
・Microsoft 365 E5 Security
設定方法
1.Microsoft 365 セキュリティセンター https://security.microsoft.com/ にアクセスします。
2.[ポリシーとルール]>[脅威ポリシー]>[フィッシング対策]の順にクリックします。
3.[+作成]をクリックして、ポリシー作成画面を開きます。
4.[ポリシー名]を入力して[次へ]をクリックします。
5.ポリシーの適用範囲を決定し[次へ]をクリックします。
ユーザー、グループ、ドメイン単位で設定することができ、必要に応じて除外設定も可能です。
6.保護対象となるユーザーやドメインについて設定します。
表は設定項目ごとの既定値とマイクロソフトが公開している推奨値です。
組織の要件に合わせて設定してください。
7.メールがなりすまし、偽装として検知された場合の動作を設定します。
表は設定項目ごとの既定値とマイクロソフトが公開している推奨値です。
組織の要件に合わせて設定してください。
8.レビュー画面で設定内容を確認し、[送信]をクリックして設定は完了です。
参考情報
・情報セキュリティ10大脅威 2021:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
・Microsoft Defender for Office 365 のフィッシング対策ポリシー | Microsoft Docs